名称 |
科 |
特性 |
使用部位 |
ヒノキ |
針葉樹
ヒノキ科 |
耐久性に富み、古くから建材に。
木曽ヒノキは有名で、天然のヒノキは高価な銘木となります。
ヒノキは針葉樹林のなかでも生長が遅く、同じ樹齢のスギよりも伐採木が遅いため、どうしてもスギより割高になります。
木目は控え目で黄色よりの白、木肌は緻密で独特の香気を放ちます
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柱や土台
風呂
内部造作材
(欄間・壁材)
家具・工芸品 |
スギ |
針葉樹
スギ科 |
古くから日本の手頃な良材として、有用されています。
やわらかい木肌は加工がしやすいのが利点です。
芯材と辺材の木目・色味の差ははっきりしており、辺材は淡い黄色、芯材は濃い桃色で節柄を楽しみたい方にも向いています。
ヒノキに比べやわらかなスギも、70年以上の木を使えば梁としては十分強度があると確かめられています。
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床板・天井板
壁材 |
ヒバ |
針葉樹
ヒノキ科 |
湿気に強く、耐蝕制はヒノキ以上。
ヒバといえば天然林の青森ヒバが有名。東京方面では青森ヒバ・関西では能登ヒバが多いようです。
特徴は、第一に虫や木材腐朽菌に強いこと。殺菌作用の「ヒノキチオール」の含有量が多く、白アリへの強さは他種にはみられません。
耐水性・強度もヒノキ同様土台や柱に使用され、価格もほぼ同額です。
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柱や土台
軒回り
浴室
濡れ縁
ベランダ
床材
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マツ |
針葉樹
マツ科 |
カラマツ…戦後に大きな造林が行われ、伐採期を迎えた木が豊富に揃っています。アカマツより入手しやすく、価格も割安。
アカマツ…特にヤニを含み、昔から手の触れない梁に利用。 強度があり、丸太梁として古民家などにみられます
エゾマツ…北海道の主要樹種。白く目の詰んだ木肌は好まれ、おもに道内で用いられます。
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床材
(熱処理でヤニを抜いてから)
内装・下地材 |
サワラ |
針葉樹
ヒノキ科 |
加工性にもすぐれ優しい木肌。
育成地は本州中部地方。赤見がかった黄色で年輪の詰んだ存在感のある木目。
水や湿気に強く、外壁・屋根葺き材、天然木は耐久性に優れ浴室・浴槽・樽・桶と幅広く利用されます。
ヒノキとスギの間といった足ざわりから、フローリングに好まれています。
価格は以前はヒノキより手ごろでしたが、今は人気も高く人工林が少ないため稀少な存在に。
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外壁材
屋根葺き材
浴室・浴槽
桶
床材
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クリ |
広葉樹
ブナ科 |
縄文時代から実を食していたなど、古くから日本人の暮らしに馴染み深い木。広葉樹のクリは針葉樹より生育に時間がかかり、数の少ない高価な材となっています。
重くて堅くて粘りがあるという性質から、土台に適しています。その堅さは鉄道の枕木に使われるほどです。
シロアリや木材腐朽菌に有効なタンニンを含んでおり、特に芯材は耐水性に優れている事から、湿気の多い浴室などの水周りに用いられます。はっきりした木目や粗い肌目は独特な表情を生み、床柱や家具、工芸品にも向きます。
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土台柱
水周り
ウッドデッキ
床材
(床暖房向き)
工芸品
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ツガ |
針葉樹
マツ科 |
ツガは関西で「トガ」と呼ばれ、西日本に多く自生しています。
西日本では昔から最高級の材料を使った数寄屋として「トガ普請」が有名です。ほぼまっすぐに通る木目が鮮明。
水に強くないので床柱や床廻り、長押などの内装材に。
信州にあるコメツガは同属で、亜高山地帯の代表的な樹種。風雪と共に生きてきた年輪は稠密で堅く、床材や梁材に用いられる
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床柱
床廻り
長押・鴨居
天井板
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ケヤキ |
広葉樹
ニレ科 |
かつては大黒柱といえばケヤキが多く、木目の凛々しさが家を守る象徴でもありました。広葉樹の中でも最も建築材に向いた材で「広葉樹の大様」と呼ばれます。
強度があり耐水性や耐朽性に富み、構造材に用いられるが、最近は高価なためあまり構造材には利用されません。
黄色みがありツヤがある。肌目は粗く、木目には男性的な美しさがあり化粧性のある場所へ。
樹齢300年以上のものは玉杢や如鱗杢と呼ばれ、最高級の銘木とされ大き目の無垢のテーブルにも使用されます。
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柱(大黒柱)
上がり框
床化粧版
テーブル
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ブナ |
広葉樹
ブナ科 |
白神地方で知られるように、日本を代表する広葉樹。淡紅褐色の材は緻密で木目が細かく加工性が良い為、大量に切られてしまいました。
菌に弱いので、水廻りには不向き。
ブナ科のミズナラは堅く、洋風の造作に使われます。
カシ材も堅く、船の舵や櫓に使用され、薪炭材やシイタケのほた木として利用されます。(ウバメガシ)は備長炭として有名。
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枕木
合板
パルプ
炭
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サクラ |
広葉樹
バラ科 |
やや堅い良質材なので、器具・家具・建築材として用いられ、貴重材です。特に版画の版木にはサクラ材が最高と言われています。
樹皮は色ツヤがよいので小箱の外張りに用いられ、秋田県角館の樺皮細工は有名です。
なお、サクラの名称で流通しているものの大半はカンバ材です。
マカンバあるいはミズメなどのカンバ類の木材のことをサクラあるいはカバザクラ、ミズメザクラと呼んで、あたかもサクラ類の木材であるようにして取扱っていますが、カンバ類は色がやや似ている程度で、材面はずっと均一で変化がありませんが、サクラ類はより不均一な材面をもっているため、装飾的な用途により適しているといえます。このような商習慣はすでに古く明治時代からあったようです。
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家具
工芸品
器具建築材
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イチョウ |
公孫樹
イチョウ科 |
中国原産で、日本には街路樹として古くから親しまれています。人工林をするようなことは無いので、大量に使われることはありません。イチョウの木材といってスギやヒノキの様に材木屋で売られているのを見ることはないでしょう。
芯材と辺材の色の差はほとんどなく、やや黄色味を帯びた白です。年輪もくっきりとはしていません。
碁盤や将棋盤、彫刻(木魚・ハンコ)、漆器、まな板など、肌目が精密で加工しやすいことを利用した用途が知られています。
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まな板
碁盤
将棋盤
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